
インプラント周囲炎とは、インプラントに生じる歯周病に類似した病気です。天然の歯と同様に、治療しないで放置してしまうと、周りの骨がなくなり、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまいます。
インプラントの周囲に生じる、骨が溶けるという症状は歯周病と同様ですが、見た目上の炎症が弱く動揺がないため自覚症状が少ないのが特徴です。また、病気の進行速度が天然の歯と比べて非常に速く、歯周病が悪化するスピードの10~20倍の速さで進行してしまいます。

写真は、重度のインプラント周囲炎に侵された口腔内です。天然歯部分の歯周病が主訴でご来院された患者さまでしたが、インプラント周囲には炎症や腫れといった症状は少なく、痛みや動揺もないため、インプラント周囲炎の自覚症状はありませんでした。
しかし、左上の口腔内写真ではほとんど問題がないように見える箇所も診査をすると深い歯周ポケットが存在し、同時に出血と排膿(うみ)が認められます。さらにレントゲン画像を見ると明らかにインプラント周囲の骨がなくなっているのがわかります。
インプラント周囲炎とは、歯周病と同じように歯周病原性細菌によって起きる病気です。治療しないで放置しておくと、周りの骨がなくなり、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまいます。インプラントの周囲に生じる症状は歯周病と類似していますが、見た目上の炎症や腫れがあまりないにもかかわらず、病気の進行速度が天然歯に比べ10~20倍と非常に速いことが特徴です。

これは、天然歯とインプラントの顎の骨に対する結合様式や歯根とインプラントの表面形状の違いに起因します。歯と顎骨は直接結合しているわけではなく、コラーゲン線維によってつなぎとめられています。このコラーゲン線維による結合方式は組織学的に歯根膜と呼ばれます。この歯根膜は、歯と顎骨との間だけではなく、歯と歯肉の間にも存在し、歯周病の原因である細菌の侵入を防ぐバリアとしての役割も果たしています。
それに対して、インプラントと顎骨の結合様式は、オッセオインテグレーション(骨結合)と呼ばれ、両者は直接結合しており、歯根膜が存在しません。細菌の侵入を防ぐバリアとしての歯根膜が存在しないため、インプラントでは病気の進行が速くなってしまうのです。
また、天然歯の場合は、歯根膜が存在することによって歯に生理的な動揺(歯の揺れ)がありますが、インプラントにはそれがありません。天然歯の場合には歯周病の進行に伴って歯の動揺が次第に大きくなり、患者さま自身が何らかの異常を自覚できますが、インプラントの場合、骨が失われても動揺がないため患者さまは異常を自覚することができません。
さらにインプラント周囲炎が進行し周囲の骨が失われると、天然歯の場合はものが噛みにくくなったり、噛んだときに痛みがを生じたりしますが、インプラントでは同じように症状が進行しても、動揺はおろか痛みさえ生じないのです。その結果、患者さまがインプラントに異常を自覚したときには、既にインプラント周囲炎は進行しており、インプラントを除去せざるを得ない状態になっていることが少なくありません。
インプラント治療は、その急速な技術発展とともに日本でも一般的に普及し、現在では多くの歯科医院が行うようになりました。また、インプラントに特化することで年間に数千本埋入する歯科医院も現れています。しかし、それと同時にインプラント治療の失敗やトラブルも年々増加傾向にあります。その原因の1つがインプラント周囲炎です。
インプラント周囲炎は、歯周病と同じく、歯周病原性細菌によって起こる病気です。したがって、インプラント周囲炎を予防するためには、歯周病治療が前提となります。これからインプラント治療を行う予定の方は、効果的な歯周病治療を受けることで、そのインプラントを末永く守ることができるのです。また、治療後はインプラント周囲炎にならないための効果的な予防プログラムを組むことが、とても重要になります。

- ※1 歯周病学では世界トップのスウェーデン王立イエテボリ大学スカンジナビア学派Fm-UDの考え方に基づいた治療を行っております。
- ※2 純度99%以上の食塩と超純水で精製された、極めて殺菌力の高い電気分解水(高濃度次亜塩素酸水)。次亜塩素酸とは、体内の自己免疫成分である白血球と同様の機序で細菌を殺菌するため、高い殺菌力と安全性が認められています。
- ※3 エアフローマスター・ペリオフローは、国内未発売の最新の歯周病専用機器です。
インプラント周囲炎を予防するために、私たち東京再生医療センターが提案するのが、1日の施術で歯周病の基本治療(原因除去治療)を可能にする、新しい歯周病治療「PERIOD.®(ペリオド)」です。
PERIOD.®は、世界基準の生物学的根拠・科学的根拠 ※1 に基づいた治療法です。歯周病専用の超音波スケーラーと歯周病専用のEr: YAGレーザー、殺菌力の高い電気分解水(ペリオドウォーター) ※2 に加え、新たに日本初導入のエアフローマスターペリオフロー ※3 を用いることで、約2時間~3時間の治療時間で痛みもなく細菌の除去と殺菌を同時に行い、口腔内の歯周病菌をなくします。

近年、アジアでもインプラント治療が一般的に普及し、その埋入本数は増加の一途を辿っており、その増加傾向には、ヨーロッパや北米以上のスピードがあると言われています。
しかしその反面、歯周病に関する認知度は低く、歯周病治療の浸透度合いも極めて低いのが現状です。このような状況の中、今後アジアでインプラント周囲炎の有病者が爆発的に増加すると想定されています。インプラント周囲炎は、今後の歯科医療における世界的な課題となっています。

当院には、他院でインプラントを埋入したものの、適切な歯周病治療が行われておらず、インプラント周囲炎の症状でご来院される患者さまが数多くいらっしゃいます。既にインプラントを埋入している方へは、インプラント周囲炎のための専門の検査を行い、進行度合いに応じたインプラント周囲炎の治療を行っています。
インプラント周囲粘膜炎とは、骨の吸収・喪失まで至っていない、インプラント周囲炎の前段階です。この場合には、歯周病治療 PERIOD.®によって口腔内の細菌を駆逐し、病気の進行を止めることができます。炎症がインプラント周囲の粘膜に限局している場合は、PERIOD.による治療と定期的なメインテナンスでインプラントを守ることができます。

- インプラント周囲
粘膜炎の口腔内

- インプラント周囲粘膜炎の
レントゲン画像
インプラント周囲粘膜炎は患者さまの自覚症状がなく、インプラント周囲粘膜炎に対する検査を行っている歯科医院も少ないですが、専門の医院で定期的に検査を受けることで早期発見・早期治療が可能です。
現在、インプラント周囲炎の治療には、歯周病の治療法が応用されていますが、中・重度まで進行してしまったインプラント周囲炎については良好な治療結果が上がっていないのが現状です。それは、インプラントの表面が顎骨へより早く、より強く結合するために開発された超微細構造に起因します。インプラント周囲炎も歯周病と同じく、細菌による感染症です。そのため治療法は、歯周病菌の徹底した除去になります。
天然歯の場合、歯根表面がスムーズで細菌の除去が可能なのに対して、インプラントの表面は、骨を誘導するための微細な穴が多数存在し、その中に入り込んだ細菌を取り除くことが困難になっています。 そこで、私たち東京再生医療センターが提案するのは、超音波やレーザーによる歯周病治療の応用に加え、アミノ酸を用いたインプラント表面の細菌除去と高濃度次亜塩素酸水(ペリオドウォーター)を併用した殺菌・消毒といったインプラント周囲炎治療です

- 1.デンタルドック
- インプラント周囲炎だけでなく、虫歯・歯周病・咬み合わせなど、口腔内全体の問題を把握するために、さまざまな項目を詳細に検査します。インプラント周囲炎に関しては、歯周病菌の検査をはじめ、歯周ポケットの深さや出血の有無などを入念に検査致します。

- 2.歯周病治療 PERIOD.
- インプラント周囲炎になってしまっている場合、口腔内全体が歯周病菌に感染しています。そのため、インプラント部位への処置に先行して歯周病の基本治療を行う必要があります。歯周病治療 PERIOD.®は、1日の施術で口腔内の歯周病菌をほぼゼロにすることができます。

- 3.インプラント部位の切開
- 重度のインプラント周囲炎の場合、埋入されたインプラントの表面の細菌を除去する必要があります。インプラント表面への処置を行うため、歯ぐきを切開します。

- 4.AIR-FLOW MASTER・ペリオフロー (日本初)※
- 超微細なアミノ酸を高圧で吹き付け、インプラント表面の細菌を徹底的に除去。インプラント表面の歯周病菌を除去することによって、骨が溶けてなくなるといったインプラント周囲炎の進行を止めます。
※エアフローマスター・ペリオフローは、国内初導入の最新の歯周病専用機器です。

- 5.ケースにより骨造成
- 骨が溶けてしまい、インプラントと骨との結合面積が少なくなってしまっていると、インプラントが脱落してしまう可能性があります。インプラントをそのまま使用するために骨造成の処置を行います。
※骨の造成を行うかは症例によりますが、行う場合のほうが少なくなっています。
インプラント周囲炎の場合、患者さまの自覚症状がないため、来院時にはかなり症状が進行していることもあり、最終的にインプラントを残せないこともあります。その場合には、ダメになってしまっているインプラントを除去し、骨再生治療の後に、再度インプラントを埋入するか、ブリッジや義歯(入れ歯)といった他の治療法で失ったインプラントを補うといった治療を行います。

インプラントのリカバリーをどのような方法で行うにしても、歯周病菌が原因で起こった症状である限り、歯周病菌を除去できなければ、どのような処置を行ったとしても、再度同様の状態に陥る可能性は残されたままです。再度同様の症状に悩まされないためにも歯周病への適切な処置を行える医院への受診をおすすめいたします。
症例 1 : インプラント周囲粘膜炎

術前

術前のレントゲン画像

術後

患者さま自身、自覚症状はありませんでしたが口腔内写真からインプラント周囲の歯肉(歯ぐき)に炎症があるのが確認できます。
歯肉(歯ぐき)に炎症はありますが、レントゲン写真から分かるように骨吸収は認められません。

ブラッシング指導を行ったのちペリオドによる歯周病治療を応用し、インプラント周囲ポケットの歯周病菌を徹底的に除去。周囲粘膜炎の段階であったため、外科処置を行わずに炎症を取り除くことができました。
患者さまの正しいブラッシングの効果もあり、術後も良好な状態を保っています。
症例 2 : インプラント周囲炎

術前

術前のレントゲン画像

術後

術前の口腔内写真では、際立った症状は見られませんが、レントゲン画像で確認すると、インプラントの周囲の骨が著しく喪失してしまっているのがわかります。

術後の写真は、歯肉を切開し、インプラントに付着した歯周病菌を除去した後になります。治療の結果、インプラント周囲粘膜の炎症がなくなったため、歯肉(はぐき)は退縮しますが、インプラントは良好な状態を保っています。
症例 3 : インプラント周囲炎

1.術前

2.切開直後

3.AIR-FLOW MASTER
ぺリオフロー
4.術後

外見上は全く問題がないように見えますが、切開すると本来あるべき位置(被せ物の下)の骨が喪失してしまっています。このまま放置すると、インプラント周囲炎が進行し、ますます骨がなくなっていきます。

インプラント周囲炎の進行を止めるため、歯ぐきを切開し、インプラントに付着した歯周病菌を除去します。2と3の写真を比べると、インプラントがきれいになっているのがわかります。切開した箇所を閉じて治療終了となります。術後、インプラント部位は良好な状態を保っています。
現在の日本におけるインプラント埋入後の脱落やトラブルの多くが定期的なメインテナンスの欠如をその原因としています。インプラント治療後、メインテナンスなどのケアに積極的ではない医院もありますが、当院ではインプラントを埋入時点だけの治療とは考えておらず、定期的なメインテナンスをとても大切にしています。
歯周病やインプラント周囲炎は細菌感染によって起こる病気のため、1度細菌を完全に除去しても、定期的なケアを怠れば、再度感染・発病してしまう可能性があります。特にインプラント周囲炎は、歯周病よりも病気の進行が早いので早期発見のためにも、当院では3カ月に1度の定期検診をお願いしております。
他院でインプラント除去をすすめられた方もお気軽にご相談ください。








































